地震などの天変地異や交通事故などといった滅多に遭わないリスクもありますが、ここではもう少し身近なリスクについて考えてみたいと思います。
例えば、サラリーマンにとってのリスクと言えば、一般的には
・降格
・リストラ
・倒産
などがよく言われています。
これに加えて、
・病気(長期入院)
などのリスクもあるでしょう。
上記に挙げたようなリスクは、ある意味”自分の責任(自己責任)”という部分が(すべてとは言いませんが少なくとも一部分は)あります。
「降格・リストラ・倒産」は、”自分で選んだ道の失敗”の部分もあるかもしれません。
「病気」は、”普段の自分の不摂生”が祟っている部分があるかもしれません。
しかし、自己責任とは違った少し違った視点で、将来誰にでも起き得る身近なリスクについて考えてみると、”介護”という問題が浮かび上がります。
今年も敬老の日に高齢者の人数が発表され、65歳以上の高齢者が2744万人(総務省推計)と過去最高になりました。全人口に対する高齢者の割合は、1945年に5.1%だったものが、2005年には20.1%へと増加し、今や5人に1人は高齢者です。
日本では、世界に類を見ない急速な高齢化に伴い、要介護者も増えており、2007年4月の全国の介護第1号被保険者2682万人中、要支援、要介護の人数は440.8万人で16.4%になります。
介護について、「うちは関係ない」とか「その時はその時に考えよう」などと普段思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、ある日突然、自分自身が”介護”という問題に直面する可能性は高いのです。
まず、要介護者になった人と同居している場合、自分自身やその配偶者は、介護のために経済的負担だけでなく、時間的にも、そして精神的にもかなりの負担を強いられることになると思います。
また、要介護者とは別居、例えば親(要介護者)が故郷にいて、「実家の兄が面倒を見るから」というような場合、、、果たして「自分には関係ない」と言えるでしょうか?
ニュースを見ても、ここ最近の国の政策を見ても、地方の経済がますます厳しい状況になっていっていることが分かります。
そんな時、自分の故郷に都会にいる自分が支援の手を差し伸べずに済むのでしょうか?
もし家族に要介護者が出れば、自身で介護をすれば、時間的・精神的に負担を強いられ、ヘルパーや施設を利用すれば経済的負担を強いられます。
「時間的に負担を強いられる」ということは、サラリーマンにとっては「会社を休む」ということにもつながりかねません。
「会社を休む」ということは、(有給休暇があるにせよ)自身の社内評価や業績にも影響をきたし、最終的には給料面への影響をきたす可能性もないわけではありません。
今の自分は、「本業が忙しくて時間が無い」「健康そのものである」「今の仕事や給料に満足している」かもしれません。
しかし、そんな”あなたの今の状況”と”介護”の問題はまったく同期しておらず、それはある日突然来るものです。
まして少子高齢化の現在、親のいる人にとっては、このリスクにいつまでも目をつぶって生きていくことはできないと思います。
「時間の無い今」、「健康である今」、「仕事や給料の充実している今」こそ、将来の介護リスクに備えた対策も十分に考えておくべきではないのでしょうか?
家計収入のポートフォリオの一つとして、時間が無くても継続的な収入を得られ、かつ健康にも配慮のできる簡単な副業(複業)をやっておく、というのも、その対策の一つなのではないかと考えます。